「説明する」英語はexplainだけ?ビジネスで差がつく表現術
グローバルビジネスの商談や同僚とのやり取りで「説明する」と言いたいとき、咄嗟に「explain」ばかり口にしていませんか。学校教育で最も親しまれてきた英単語である一方、実際の海外オフィスや国際会議の場では、使い方次第で「相手を見下している」「釈明を求めている」といった不自然なニュアンスを与えてしまうリスクが潜んでいます。
相手に敬意を払いつつ、ロジカルかつ明確に意思疎通を図るためには、場面に応じた動詞の選び分けが欠かせません。ネイティブスピーカーが現場で使いこなす多彩な語彙と、失礼にあたらない洗練されたフレーズの真実を紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「explain」は理由や因果関係を解き明かす語であり、状況によっては「上から目線」や「言い訳」のニュアンスを含むため使い分けが必須。
- 要点2:ビジネスでは「walk through(順を追って説明する)」「clarify(明確にする)」「elaborate(詳しく説明する)」などの表現が圧倒的に好まれる。
- 要点3:相手に説明を依頼する際は「Could you explain?」よりも「Could you walk me through...?」を使うことで心理的摩擦を回避できる。
【脱explainの真相】なぜネイティブは場面ごとに「説明する」を使い分けるのか
日本のビジネスパーソンが最も陥りやすい落とし穴が、あらゆる「説明」を一括りに「explain」と訳してしまう点です。英英辞書の定義や言語心理学的なアプローチから分析すると、explainの語源はラテン語の「explanare(平らにする、明瞭にする)」に由来し、「相手が理解していない複雑な物事の仕組みや理由を解き明かす」という一方通行のベクトルの意味合いを強く持ちます。
そのため、対等なビジネスパートナーやクライアントに対して安易に「I will explain our service.(弊社のサービスを説明して差し上げます)」や「Please explain this data.(このデータを説明しなさい)」と発言すると、無意識のうちに相手を「無知な立場」に置いてしまう響きが生まれます。これが、ビジネス現場でexplain以外の英語表現が多用される最大の要因です。
現場で信頼を獲得しているプロフェッショナルは、相手への配慮や目的に応じて「描写する(describe)」「歩調を合わせて案内する(walk through)」「具体化する(elaborate)」「責任を持って根拠を示す(account for)」といった語を自然に切り替えています。
【徹底比較】ビジネスで差がつく「説明する」英語表現一覧
状況や相手との関係性に応じて適切な動詞を選択できるよう、主要な表現のニュアンスと客観的な使い分け基準をまとめました。
| 動詞・イディオム | 核となるニュアンス・詳細 | 主な使用シーン | ネイティブ目線の評価 |
|---|---|---|---|
| explain | 理由・背景・仕組みを解き明かす | 因果関係の解説、トラブルの原因究明 | 一般的だが、要求時に使うと詰問調に聞こえるリスクあり |
| describe | 特徴・外見・状況を言葉で描写する | 製品の仕様、現場の様子、人物像の描写 | 客観的かつ中立で、事実をありのまま伝える際に最適 |
| walk through | 手順や資料をステップごとに案内する | プレゼン、契約書・提案書の読み合わせ | 協調性があり極めて好印象。ビジネスで最も推奨される |
| clarify | 曖昧な点や誤解をクリアにする | 会議での確認、メールでの追加確認 | 知性的で角が立たず、ビジネスメールでの使用頻度が極めて高い |
| elaborate (on) | 詳細を付け足して深掘りする | 質疑応答、企画の具体化を求める場面 | フォーマルかつ洗練された響きを持つ上級表現 |
| account for | 数値の根拠や責任ある理由を説明する | 財務報告、売上増減の要因分析、釈明 | 「説明責任を果たす」という重みを持つ厳格な表現 |
【実態検証】「Explain please」の落とし穴と現場で起きている摩擦
SNSやビジネス英語のコミュニティでは、「取引先からのメールで『Please explain.』と書かれていて冷や汗をかいた」「外国人上司に説明を求めたら不機嫌そうな顔をされた」といった体験談が定期的に話題に上ります。外資系企業の現場関係者や通訳者の証言によると、この違和感の正体は「権力勾配の意図せぬ発生」にあります。
英語圏において、上司が部下に「Explain this error.(このミスについて釈明せよ)」と詰問する場面はあっても、部下から上司や顧客に対して直接「Please explain」と求めるのはマナー違反と見なされがちです。特にメールの文面ではトーンが冷淡になりやすく、相手に対して「なぜそうなったのか言い開きをしなさい」という強いプレッシャーを与えてしまいます。
では、相手に英語で説明してもらう丁寧な表現にはどのような選択肢があるのでしょうか。実際のビジネスメールで説明を求める英語としては、以下のようなクッション言葉を交えた表現が標準的です。
- Could you please walk me through the proposal?
(ご提案内容について順を追ってご説明いただけますでしょうか?) - Could you elaborate on that point?
(その点について、もう少し詳しくご説明いただけますか?) - Could you clarify what you mean by that?
(その発言の意図について、分かりやすく確認させていただけますか?)
「explain」という単語を直接使わずに「walk through」や「clarify」に置き換えるだけで、相手への敬意と協調的な姿勢が瞬時に伝わります。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|describeとexplainの境界線
ネット上の学習コンテンツで頻繁に見落とされているのが、describe と explain の違いおよびaccount for 説明する ニュアンスの深層です。「どちらも説明するだから同じ」と混同していると、重大な認識のズレを生むことになります。
最大の違いは、「何をターゲットにしているか」です。
- describe(描写・概説):「What(何がそこにあるのか・どんな特徴か)」を客観的にスケッチするように言葉で伝える行為。
例:Can you describe the new product's features?(新商品の特徴を具体的に説明・描写してもらえますか?) - explain(理由・因果):「Why」「How(なぜそうなったのか・どのような原理か)」という因果関係を解き明かす行為。
例:Can you explain why the delivery was delayed?(なぜ納品が遅れたのか理由を説明してください。)
また、会計や経営指標で頻繁に登場する「account for」は、単なる口頭の説明を超えて「正当な根拠を示して説明責任(Accountability)を果たす」あるいは「割合を占める」という意味を内包します。例えば「He couldn't account for the budget deficit.」と言った場合、「彼は予算不足の合理的な理由を説明できなかった(説明責任を果たせなかった)」というシビアな評価を下す文脈になります。
状況別で即戦力になる!ビジネスを円滑にする実践英語フレーズ
日常業務から重要なプレゼンテーションまで、日々の業務で直面するシチュエーションに応じた実用フレーズを整理しました。
1. 分かりやすく説明する 英語
専門用語を噛み砕いて平易に伝える際は、「simply」や「plain English」を組み合わせるのが定石です。
- Let me put this simply.(分かりやすく簡潔に説明させてください。)
- To explain it in plain English, our system reduces costs by 20%.(分かりやすく平たい言葉で説明すると、弊社のシステムはコストを20%削減します。)
2. 詳しく説明する 英語
表面的な概要から一歩踏み込んで詳細を語る場合は、「in detail」や「elaborate」「go into detail」が適しています。
- I would like to elaborate on our Q3 marketing strategy.(第3四半期のマーケティング戦略について詳しく説明いたします。)
- Let's go into detail regarding the implementation plan.(導入計画に関して詳しく踏み込んで説明しましょう。)
3. 順を追って説明する 英語
フローチャートや作業手順をステップごとに案内する場合は、「step-by-step」や「walk through」が抜群の威力を発揮します。
- I'll walk you through the setup process step-by-step.(設定手順を順を追って一つずつご案内します。)
4. 簡潔に説明する 英語フレーズ
エグゼクティブへの報告など、要点だけを短時間で伝えたい場面のフレーズです。
- Let me give you a brief overview.(手短に全体像をご説明します。)
- To put it in a nutshell, the project is ahead of schedule.(極めて簡潔に要約して説明しますと、プロジェクトは予定より前倒しで進んでいます。)
5. 口頭で説明する 英語
メールやチャットのやり取りが長引き、「直接話して説明したい」と提案する際のスマートな表現です。
- It might be easier to explain this verbally over a quick call.(簡単な通話で口頭にて説明した方が分かりやすいかもしれません。)
6. 説明不足 英語
自身の説明が足りなかったことを丁重に詫びる、あるいは資料の不足を指摘する際の表現です。
- I apologize for the lack of explanation in my previous email.(前回のメールでの説明不足をお詫び申し上げます。)
- The report lacks sufficient explanation on the risk factors.(その報告書はリスク要因に関する説明が不足しています。)
【プロの結論】コミュニケーションの心理的安全性と語彙の選択基準
現代のビジネスコミュニケーションにおいて最も重視されるのは、お互いの心理的バウンダリー(境界線)を守り、過度な緊張感を与えずに協働関係を築く「心理的安全性」です。英語においても、単に文法的に正しい単語を並べるだけでなく、その単語が相手の心理にどのような感情的インパクトをもたらすかを推し量る能力が問われます。
「explain」の多用は、無意識のうちに「教える側と教わる側」「問い詰める側と弁明する側」という固定的な力関係を作り出しかねません。一方で、「walk through」や「clarify」を選ぶビジネスパーソンは、相手と同じ目線に立ち、共同で課題を解決しようとするアプローチを自然と提示できています。言葉の選び方一つで、相手が抱く安心感や信頼度は劇的に変化します。

【説明 する 英語】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「Let me explain.」はビジネスの場で使っても大丈夫ですか?
A1:使っても間違いではありませんが、ドラマや映画で言い訳をする際によく使われるため、ややドラマチックあるいは自己弁護的なニュアンスを帯びることがあります。ビジネスで自分の提案や状況を説明する際は、「Let me walk you through the details.」や「Allow me to clarify the background.」と言い換える方が落ち着いたプロフェッショナルな印象を与えます。
Q2:プレゼンで「スライドを説明します」と言いたいときは何と言えば自然ですか?
A2:「I will explain this slide.」よりも、「Let's take a look at this slide.」や「This slide shows/illustrates our performance.」「Let me walk you through the numbers on this slide.」が非常に自然で、ネイティブのプレゼンでも標準的に使われます。
Q3:「explain to 人」と「explain 人」のどちらが文法的に正しいですか?
A3:「explain to 人(物事)」または「explain(物事)to 人」が正しい形です。explainは直後に「人」を目的語に取ることができないため、「He explained me the rule.」は文法的な誤り(×)となり、「He explained the rule to me.」が正解(○)です。会話で無意識に間違えやすいポイントのため注意しましょう。
まとめ:場面に寄り添う言葉選びがグローバルの信頼を創る
「説明する=explain」という固定観念を手放し、相手との関係性や会話の目的に応じて動詞を適切に使い分けることは、グローバルなビジネス環境において洗練された対話力を身につける第一歩です。
手順を一緒に確認したいときは「walk through」、詳細を深掘りしたいときは「elaborate」、曖昧さを解消したいときは「clarify」、事実をありのまま描写したいときは「describe」。相手に対する配慮を込めた語彙の選択が、言葉の壁を越えた強固な信頼関係を築き上げる確かな武器となります。 (出典: 説明 する 英語(Yahoo!ニュース))